「子供の歯と大人の歯はどちらが大きいと思われますか」とお聞きすると、ほとんどの方が「大人の歯」と答えられます。
前歯に関してはこれで正しいのですが(右写真の上段)、奥歯の中には乳歯のほうが大人の歯より幅径(近遠心径)が大きい歯があります(右写真の下段)。
この状態で、単純に歯の生え代わりが起こると、前歯はがたがたになり、奥歯はすきっ歯になるということになります。
しかし実際はそのようにはなりません。
こういう場合、前歯の生え初めには歯の並びが少し凸凹していても、多くの場合、生え変わりとともに自然にきれいに並んできます。
この時に、前歯の並びを早くきれい治そうと奥歯が生え変わっていないうちに床矯正装置などの拡大装置を使って上下どちらかの顎を横に広げると、目で見える前歯はきれいに並んだように見えてくる場合がありますが、奥歯の噛み合わせは逆に悪くなってしまう、ということがおこることがあります。
生え変わりに伴う歯並びの変化はけっこう複雑です。