「床矯正装置だけで治せませんか」
めったにありませんがこういう質問を受けることがあります。
床矯正装置とは、取りはずしができる入れ歯のような形態をした矯正装置です。
床矯正装置には、非常に沢山の種類がありますが、上記の質問のような場合は、写真のような「拡大床」のことであることが多いようです。
矯正治療する歯科医のなかで床矯正装置を使っていない人はいないと思います。
患者の年齢が低い場合、多くのケースでこの方法で治療を開始します。
ただ、床矯正装置だけでだけで治療するとなると別問題です。
私の非常に親しかった80歳過ぎた歯科医の方は、「自分は、今の矯正装置は使えないので、学生時代勉強した床矯正装置で治療している。」とよくおっしゃっておられました。
つまり、「床矯正装置だけで治療する」ということは、「かなり昔の矯正治療法だけで治療する」とほとんど同じ意味なのです。