最近、新聞や雑誌で、「ワイヤーレス矯正装置（ワイヤーやブラケットを歯に貼り付けない矯正装置）｣とか｢取りはずしができる透明な矯正装置｣というものが紹介されているのをご存知ですか？
｢歯並びを治したいんだけれど、矯正装置をつけるのはイヤ！｣という要望に対して開発された装置です。透明な矯正装置ですが、完全に見えないというわけではありません。しかし、かなり近くに寄って見ないと装着しているどうかわからない装置です。
代表的なものにはインビザライン、クリア アライナー、アクアシステムと呼ばれているものがあります（右図はクリア アライナーです）。
当院では、クリア アライナーを採用しています。
当院で矯正を終了した方なら、｢なんだ、リテーナー（インビジブルリテーナー）じゃないか！｣とお思いと思います。また、ホワイトニングを行われた方なら、｢ホワイトニングのトレイとよく似ている！｣と思われると思います。
そうです。外観はほとんどこれらと同じです（ただ、作製方法はこれらと違い、かなり複雑です）。
リテーナーをはずしておくと歯はすぐ元の悪い位置へ後戻りをはじめます。しかし、後戻りの量が少なければ、再度リテーナーをつけるとまた良い位置に戻ってきます。この現象を利用した装置です。
この装置のメリットは、 透明なのであまり目立たないだけでなく、ブラケットやワイヤーをつかった固定式の装置（ワイヤー矯正）と違い着脱が可能なので、食事の時や歯ブラシの時もはずすことができるという点です。
そのためワイヤー矯正よりは虫歯になるリスクは減ります。
また、通院時の1回あたりの治療時間もワイヤー矯正と比べて短くすみます。
逆にデメリットは、取り外しがきくために、ちゃんとつけてくれなくなければ治らない。
装着時間が短ければ、治療期間がかなり長期になってしまうことです。
また、通院回数はワイヤー矯正よりは多くなります。
そして1番の問題点は、どんな症例でも適応できるものではないということです。
出来る症例が限られています。
前歯の少数の歯の位置を治したいとか、すこしあごを広げてガタガタを治したい、という場合に有効ですが、上下のあごの位置が大きくずれているような骨格性の問題のある症例や歯のガタガタが大きい重度の症例には不向きです。
ただ、こういった場合でも、ワイヤー矯正と併用することによってワイヤー矯正自体の装着期間を短くすることは出来ます。たとえば、ワイヤー矯正を怖がっている小さい子供の場合、永久歯が生えそろうまでクリアアライナーなど取り外しのきく装置で症状を軽くしておいて、永久歯が生えそろった後に（充分いろいろなことが理解できて我慢ができるようになった年齢で）ワイヤー矯正装置を装着して短期間で仕上げるという方法です。
使用方法や注意点などさらに、詳しい説明をご希望の方は、受付にて｢無料矯正相談｣をお申込みください。
