歯の裏側につける舌側矯正装置は、外からまったく見えないという優れた長所を持つ装置ですが、
実際、装着してみると、外側につける唇側の装置とは比べ物ならない(発音し辛い、痛い等)非常に「しんどい」装置です。
この舌側装置にたいしてドイツのビッヒマンを中心としたグループがコンピュータを駆使した画期的な「インコグニト」というシステムを開発しました。
CAD/CAMを使って矯正する人の個々の歯に最も適合してかつ可及的に小さくなるようにその人だけための装置を設計、作製するシステムです。
つまり完全なオーダーメイドの矯正装置です。
その結果、装着感が唇側の装置とたいして違わない程度にまで改善されました。
また、外からまったく見えない歯の裏側につける舌側矯正装置は、いままでは大人がつける矯正装置というイメージがありました。
ところがオーダーメイドの舌側矯正装置「インコグニト」を開発したドイツ人のビッヒマンが、数年前の日本での初めてのインコグニトユーザーミーティングでびっくりするようなことを言いました。
「インコグニトは、子供にこそ装着すべき装置である。」
実際、彼の診療所の舌側矯正患者の70%の患者は子供だそうです。
その理由は、虫歯の発生率が、外につける装置と比べてはるかに少ないからです。
子供に矯正装置をつけたときに一番問題となるのは、歯磨きがしにくいことによって起こる虫歯の発生です。
インコグニトを着けた患者の虫歯の発生率は、外側につける装置に比べ1/4から1/5しかないそうです。
インコグニトの意外な長所です。